塗装設計に役立つ 焼付塗装と塗料の知識

使用環境と塗料・塗装仕様の選択

焼付乾燥を前提とした塗料を使用します。もちろん専用です。ホームセンター等には並びません。

[溶剤塗料]

アミノアルキッド樹脂塗料(通称メラミン)
アクリル樹脂塗料
ポリエステル樹脂塗料、他

[粉体塗料]

ポリエステル樹脂塗料
エポキシポリエステル樹脂塗料、他

焼付塗料は塗料ごとに焼付温度と時間が決まっています。塗料メーカーの指定された温度により焼付乾燥します。
指定された温度と時間には相関関係があり、不足した場合、焼付不足となり、本来の塗料の性能が出ないばかりか、密着不良、剥がれなどの原因になります。
この場合、塗装された製品・部品(被塗物)の物体温度が指定温度になることが重要です。雰囲気温度と被塗物の物質温度と極力、差が出ないようにコントロールすることが重要となってきます。焼付乾燥炉内の温度ムラ、(被塗物)の材質や板厚(質量)に十分な配慮が必要です。
通常の塗装は特別な塗料でない限り、下塗り、中塗りなど、それぞれ(被塗物)の材質、使用環境と塗料メーカーの仕様書に基いた、多層塗装が基本です。
塗装の厚みは各塗料に推奨される厚みがあり、(被塗物)の使用環境や(被塗物)の素材によって決められます。

塗装の種類 素材 下塗塗装 上塗塗装(溶剤系) 上塗塗装(粉体系) 備考
一般屋内用焼付塗装 金属系 エポキシ系塗料 アミノアルキッド樹脂塗料 エポキシポリエステル樹脂塗料 粉体塗装の場合1コート可
非鉄金属系 エポキシ系塗料 アミノアルキッド樹脂塗料 エポキシポリエステル樹脂塗料 粉体塗装の場合1コート可
樹脂素材系 ウレタン樹脂塗料 ウレタン樹脂塗料など 1コート塗装も可能
屋内用(水回り)焼付塗装 金属系 エポキシ系塗料 アクリル樹脂塗料など ポリエステル樹脂塗料 基本は2コート塗装(塗装膜厚管理必要)
非鉄金属系 エポキシ系塗料 アクリル樹脂塗料など ポリエステル樹脂塗料 基本は2コート塗装(塗装膜厚管理必要)
屋内用(耐薬品など)焼付塗装 金属系 エポキシ塗料 エポキシ樹脂塗料など ポリエステル樹脂塗料 基本は2コート塗装(塗装膜厚管理必要)
非鉄金属系 エポキシ塗料 エポキシ樹脂塗料など ポリエステル樹脂塗料 基本は2コート塗装(塗装膜厚管理必要)
一般屋外用焼付塗装 金属系 エポキシ系塗料 アクリル樹脂塗料など ポリエステル樹脂塗料 基本は最低2コート塗装(塗装膜厚管理必要)
非鉄金属系 エポキシ系塗料 アクリル樹脂塗料など ポリエステル樹脂塗料 基本は最低2コート塗装(塗装膜厚管理必要)
一般屋外用塗装 金属系 エポキシ系塗料 ウレタン樹脂塗料など ポリエステル樹脂塗料 基本は最低2コート塗装(塗装膜厚管理必要)フッ素系塗装も選択
非鉄金属系 エポキシ系塗料 ウレタン樹脂塗料など ポリエステル樹脂塗料 基本は最低2コート塗装(塗装膜厚管理必要)フッ素系塗装も選択
樹脂素材系 ウレタン樹脂塗料 ウレタン樹脂塗料など 1コート塗装も可能
耐塩害屋外用塗装(重耐塩害塗装) 金属系 エポキシ塗料 ウレタン樹脂塗料など ポリエステル樹脂塗料 基本は最低2コート以上塗装(塗装膜厚管理必要)フッ素系塗装も選択
非鉄金属系 エポキシ塗料 ウレタン樹脂塗料など ポリエステル樹脂塗料 基本は最低2コート以上塗装(塗装膜厚管理必要)フッ素系塗装も選択

*上記仕様は標準です。その他、使用環境等、諸条件により適時、仕様が追加、変更されます。